皆様こんにちは。リーダーシップブログ担当の庸介(ようすけ)です。
人間誰にも、相性が合う合わないがありますよね。
職場でも、どうしても「馬が合わない」と感じる部下やチームメンバーがいるものです。
そんな状況に役立つのが、リーダーシップ論のひとつ「PM理論」の応用です。
PM理論とは、1966年に社会心理学者・三隅二不二氏が提唱したもので、リーダーシップを「P機能(Performance:目標達成)」と「M機能(Maintenance:集団維持)」の2軸で捉える考え方です。
PM理論における理想の状態は、その両方(PもMも)が高い「PM型」と言われています。
この理論の定石として、PやM が低いと自認した場合には、それらを高める努力をします。
その際に、私が意外な盲点に実経験から気付いたのですが、相手に応じて高さを調整すると、さらに実効性は高まります。
具体的には、本テーマである、相性が悪い部下に対しては、無理に関係を良くしようとせずに「あるがまま」の状態を受け入れて、距離を保つほうが良いという実感です。
そのためには、P機能(目標達成)に焦点を合わせてみてください。
雑談も個人的な交流も、極力減らし、「タスク」と「成果」に絞ったコミュニケーションを徹底するのです。
通常であれば、目標達成の努力と同時に、M機能(集団維持)も大切にするために、部下への声がけや励まし、あるいは悩み解決のための支援などで、信頼関係の構築を図ります。
しかし、無理に歩み寄るのではなく、あえて冷静に各々の役割を果たす方が、結果的にはチームの士気が保たれます。
これは、決してM機能(集団維持)を疎かにしてもいいという考えではありません。
アプローチを相手によって大きく柔軟に変える、PM理論の有効活用です。
この応用はどんなタイプのリーダーでも実践可能です。
Mが高く、集団をまとめる力がある人は、相手に応じて高さを調整できます。
逆に、Mが低くチームを維持・強化する力が弱い人でも、それをあるがままに受け入れて、Pにフォーカスすれば、効果は期待できます。
ただし、一つだけ留意しておきたいのですが、距離を取るとは言っても、部下に対する尊重は必要不可欠です。
一貫して「公平さ」と「礼儀」だけは保つようにするのを忘れてはなりません。
それさえできていれば、M機能(集団維持)が崩れることは決してないでしょう。
「個人感情を切り離し、業務の遂行に徹する」それが、今述べてきたことの主眼なのです。
相性の悪さに悩む場面でこそ、理論を実践に用いる力量、そしてリーダーとして、多様な人間に対応できる柔軟さが試されます。