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18. 「沈黙」がメンバーの本音を引き出す〜1on1でリーダーに求められる会話の幕間(まくあい)〜

皆様こんにちは。リーダーシップブログ担当の新井 庸介(あらい・ようすけ)です。
今回から、これまでのペンネーム「庸介(ようすけ)」を変更いたしました。
気持ちを新たに発信して参ります。
 
 

本日は、前回お話しした「1on1ミーティング」に連なるテーマとして、「沈黙」の活用に関するトピックをお届けします。
 

部下やチームメンバーとの1on1ミーティングで、沈黙はしばしば気まずく、避けたいものと感じられがちです。
しかし、実は沈黙は、リーダーが対話を深めるための有効なコミュニケーション技術になり得ます。
 

演劇に例えると、第一幕から第二幕に進むための「幕間(まくあい)」のようなものです。
話の小休止を演出するリーダーの視点では休憩に見えても、メンバーの視点では、次の幕(話の展開)への準備であり、思考の整理を必死に行っています。
 

ただし、それには条件があります。
それは、リーダーとメンバー双方が共有する安心感のある空間です。
 

リーダーには、自分が無知や無能と思われる不安や、自分の沈黙がメンバーに与える圧迫を心配する理由から、話の空白を埋めようとする動機が働きます。
しかし、こうして無理に続けるやり取りは表面的になり、ほとんどが深い対話にはつながりません。
 

一方で、メンバーもまた沈黙を避けがちです。
リーダーの前で黙っていると、「考えがまとまっていない」「分かっていない」と思われるのではと不安になるからです。
リーダーの沈黙がプレッシャーとなり、メンバーが空白を埋めようと、焦ってしゃべり始めてしまうのです。
 

話を深めるための沈黙を、自ら使いこなせるメンバーは、そう多くありません。
たとえ意図的に沈黙をした場合でも、考えているふりをアピールしているだけで実際には何も考えていないというケースもあります。
 

そこでリーダーが取り組むべきは、メンバーの「心理的安全性」の確保です。
「黙っていても評価を下げられない」「自分のペースで考えてよい」という安心感があれば、リーダーの沈黙はメンバーの内省を促し、対話を深める貴重な時間に変わります。
 

なお、リーダーから見て、メンバーが沈黙する理由が分からなくて苦慮するケースも聞かれます。
真剣に考えているからなのか、単純に黙っているだけなのか、頭が真っ白になっているのか?
 

その場合は「考えている間、待っているよ」と伝えると、メンバーの思考が動き出す場合もあります。
「今、考えはどの辺まで来た?」「じゃあ、気になる点ひとつに絞ってみようか」など刺激を入れるのも言語化の手助けになります。
 
 

沈黙は単なる会話の停滞・ストップではなく、話を次の展開へつなげて深めるための幕間です。
リーダーはこの技術を意識的に練習し、1on1を真の対話のステージへと導く必要があります。
 

そして、リーダーに限らず、日常会話で「沈黙」をネガティブに捉えるのでなく、コミュニケーションを深める強力なツールとして活かしていただきたいと想います。

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